またひとり

貴重な人材がいなくなってしまった。

長年仕事をお願いしていた、腕のいい職人さんが亡くなった。

いろんなところで、かれこれ20年近くお世話になってきた。

息子さんから連絡を受け、社長もさみしそうにしていた。

ホント昔ながらの人だった。

こっちから催促しないと請求書はくれないし、ひどい時は「今日はロクに仕事してないからお金はいいよ」なんて言ってきて、「頼むから請求書出してよ」とお願いする事も。

しかもやっと出してくれた請求書がえらく安くて、「もっと出すから高く出して」とこちらが頼むと言う、ホントお金には無頓着な人だった。

ちゃんと儲けを出しているのか、お金を出すこっちが心配になったっけ。

最近体調がよろしくないと言うのは聞いていたが、突然の連絡でこちらも少し茫然。

密葬でやるからと連絡はあったが、社長には代表して行ってよと。

ホントはみんな行きたかったんだが、密葬に大勢で押し掛けるのも失礼だから遠慮させてもらった。

昔、息子さんの腕が上がっていくのをこっそり喜んでいた姿が懐かしい。

今じゃ息子さんも立派な一流の職人さん。

欲が無いのも親父さん譲りだから、またしばらくはこっそり上乗せして払わないといけないな。

長い間ありがとうございました。

上から息子さん見ててやってください。

俺らも変わらずお願いしていきますんで。

お疲れ様でした。

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