ヒトラーへの285枚の手紙

監督バンサン・ペレーズ。独仏英の合作。

1940年6月、フランスに対する戦勝に沸くナチス体制下のベルリン。

オットー(ブレンダン・グリーソン)とアンナ(エマ・トンプソン)の夫婦に、最愛の一人息子のハンスが戦死したとの知らせが届く…深い悲しみに暮れる二人。

この出来事をきっかけに、二人はナチス体制批判・ヒトラー批判のメッセージをポストカードに書き込み、市内に密かにばらまく行動に出る。

ささやかな反体制活動であったが、やがて警察の捜査の手が迫る!

ドイツ人作家ハンス・ファラダの小説の映画化。史実を基にした想像を膨らませたフィクション。

反ナチをテーマにした作品ですが、本作品で描かれる言論の自由の圧殺、人種差別、党幹部の優遇、権威主義的性格等はナチズムに限らず独裁政治に内在する普遍的構造。他人毎ではありません。

フィクションだけにラストの展開は、より自由に、象徴的に、メッセージ性のある結末になったと思います。

捜査を担当するエシャリヒ警部(ダニエル・ブリュール)が陰の主役とも云える重味のある役でした。

全体としてなかなかの秀作だったと思います。

ただ、惜しむらくは、ドイツ・ベルリンが舞台でドイツ人しか出てこない設定の作品なのに、全員が英語を話す英語劇。

やはりドイツが舞台の映画はドイツ語の方が雰囲気が出ますね…

(完)